基本名称
鋸刃の基本名称
チップソーの各部名称をご説明いたします。ご注文の際には、鋸外径、内径、必要であればピンホールやキー溝などの情報が必要になります。
鋸外径
チップソーの外径です。最初に設定する場合は被切断材のサイズを考慮し、十分な大きさで設定してください。
内径
チップソーの中心に空いている穴です。ご使用の切断機の軸径に合わせて加工いたします。
PCD(ピンホール)
切断時の抵抗で鋸が回されないように止める目的で設定します。切断機のフランジにピンが付いている場合は必ず必要になります。
キー溝
切断時の抵抗で鋸が回されないように止める目的で設定します。鋸取り付け軸にキーが付いている場合には必ず必要になります。
超硬チップ
タングステンカーバイド、タンタラムカーバイド、チタンカーバイドなどの硬質金属をコバルトやニッケルをバインダーとして焼結した金属のチップ。このチップを刃先に銀ロウ付して研磨して使用します。
鋸基板
チップソーのボディとなる基板です。業界用語では親板とも言います。当社ではハンマリングによってテンショニング(腰入れ)を行い製品にします。
スリット
外周に配置している刃と刃の間(チップポケット)の底部より5本(小径は3本)の溝をスリットといいます。高速回転時の高周波音防止、チップソー外周部に発生する熱の放出などの目的があります。
チップポケット
切断時に出る切粉が逃げるスペース。被切断材の形状やサイズ、切断条件によって深さや巾を調整します。
刃先の名称
チップソーの刃先部の名称をご説明いたします。刃先チップには様々な角度があり、被切断材の材質や切断時に発生するトラブルに対応した設計を行うことで、切断品位や寿命を向上させます。
スクイ角
切断時の切断抵抗に大きく影響する角度。被切断材の材質が軟らかければ大きくとり、硬ければ小さくします。
二番角
切断時に外周部に抵抗がかからないように刃先チップの後方に向けて逃がした角度。被切断材の材質が軟らかければ大きくとり、硬ければ小さくします。
二番逃げ角
二番角に加え、刃先チップの外周面に側面方向に付ける角度。切断時の抵抗を減少させたり、刃先チップの欠損を防止したりと様々な目的で形状や角度を設定する。切断性能への影響も大きいです。
リード角
スクイ角に加え、刃先チップのフェイス面に側面方向に付ける角度。切断時の抵抗を減少させたり、刃先チップの欠損を防止したりと様々な目的で形状や角度を設定します。切断性能への影響も大きいです。
高低差
組刃の刃と刃の高さの差。切粉の分割や1刃ごとの刃への切断抵抗の調整のために設定します。
台厚
鋸基板の厚み。厚いと基板の剛性は高くなるので切断は安定しますが、薄肉材の切断などでは切断時の抵抗が大きくなり変形などのトラブルが発生しやすいです。また、歩留まりの面でも特殊な場合を除き安定して切断可能な範囲で薄く設定します。
刃厚
刃先チップの厚み。台厚より厚く設定し、切断時に鋸基板と接触しないように設定します。切断抵抗に直接影響があります。